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オンラインコーチングという選択肢(3)オンラインコーチングを受けて変わったこと

コロナ禍、アフターコロナ、すっかり変わってしまった世の中でどんな風に大好きなトレイルランニングと向き合い、楽しんでいくのか。オンラインコーチングという選択肢について語るシリーズ。

vol.1 モチベーションが見当たらない人へ

vol.2 こんな人に向いている!

これまで様々な記事で書いてきたことなのですが、わたしは学生時代に体育会系の部活経験がありません。幼稚園~小学生の頃に水泳や体操教室、夏休みのアウトドア教室、冬休みのスキー教室程度ならありますが人並みといったところです。体育の成績はいつもパッとしなかったし運動とは無縁でした。大学時代にダンスをやっていてそれだけは結構真剣に取り組んでいてコンテスト出場もしましたが、上位には入れませんでした。

仕事は大好きで、競争心もあったけれど、とにかく「練習」ってもんが苦手。趣味は趣味であり、自然が大好きだからやっているのに、“練習のために走る” ”練習しに山に行く”というのがどうもしっくりこない。だからランニングやトレイルランニングを始めてからの10年ちょい、走りたい時に走りたいだけ走って、山に行きたい時に居たいだけ居るというつきあい方でした。

それでも遅いなりにそこそこ走れたし、いろんなレースを(ギリギリ)完走して、なんだか少しずつ速くもなってきました。だから躍起になって練習する意味もいまいち見出せなかったのです。楽しいからいいやん、って。

Tomoさんから「エマちゃんもオンラインコーチングやらない?」と言ってもらったことをきっかけに始めたわけですが、こりゃ大変なことになりそうだなというのはなんとなくわかっていたし、それなりの覚悟を持ってはじめました。大人になって「変わる」ってめちゃくちゃ大変だと思うんです。でも、なんか新しい自分を見たいなって。

 

①「練習」するようになった

当たり前なんですが、練習をするようになりました。そりゃそうだ。練習やトレーニングというものがどういうものなのか身を持って知ることになりました。ただただ好きなように走ってきて、たまたま故障少なく飽きずに続けてきたけれど、「練習」となると「目的」がセットになります。

色んな練習メニューが組まれるわけですが、それぞれに意味と目的があります。何のためにそれをするのか。なぜそのペースなのか。その練習をすることで何をどう変えようとしているのか。それを理解できているかいないかでも練習の「質」がうんと変わることも、継続していくなかで体感するようになりました。

練習メニューには得意なもの苦手なもの、好きなもの嫌いなものがあって、必ずしもウキウキでできるわけじゃない。でも、なりたい自分になるためのパズルのピースを埋めるアクションであって、穴を埋めていく、全貌が見えていくことの喜びをちゃんと見出していかないと、ただただ熟しているだけではどうも楽しくはありません。最初はグングン伸びたから超!楽しかったけど、次第に伸び悩むようになり、うまくいかず、満足できず、練習がつらくて玄関でシューズを履いたまま座り込んで1時間くらいシクシク泣いたりしたこともありました。コーチから与えられるメニューは「指示」ではなく「指南」であって、練習をやるもやらないも、楽しむも楽しまないも自分次第。

なるほどこれが「練習」というものか・・・・・・

と思いながら1年間を過ごしました。

 

②走っていないことの不安が強くなった→継続こそ才能

登録されているメニューをやらないと、そのメニューが真っ赤な色に変わります。はい、アウトー!と言われている気分で、フィールドを外れたとたんメンタルヨワヨワなわたしはめちゃ凹みます。仕事で走れない日もあります。30分、1時間くらいどうにかなるだろっていう自分と、いやいやこんな仕事に疲れた状態で走るなんて無理だよという自分。どんどん赤く染まっていくトレーニングカレンダー。

あんなに気ままに走っていたのに、走っていないことを日々突きつけられる。1週間も続けば、ヤバいヤバいとなんとか走ろうとする。なんとか熟そうとする。これまでは1ヶ月全く走らずだらだら過ごすなんてことはよくあったけれど、心身不調な時も、仕事で忙しい時も、故障中も、2週間以上はお休みせずに続けてきています。オンラインコーチングを始めてから「どんな時でも、ダメな時でも、腐りきらずに継続さえしていれば、良い時がちゃんと巡ってくる」と感じることができました。

生まれながらのセンスとかポテンシャルとか、今からは得られない若い頃からの経験とか、そういうものはもちろんありますが、すごい人達は継続する力を持っているんだと思います。継続こそ、才能。

 

③身体の声を聴くことの大切さ

去年故障をしてしまったのですが、これはわたしがメニューにないことをやりたいと言って、痛みを我慢して走ってしまったことで、蓄積していた疲労と重なってエラーが起きてしまいました。ハーフマラソンの練習ばかりしていたのに、速い人達にくっついて100マイルを走ったんですよね(笑)。しかも、途中で足が痛くなったのにやめなかったっていう。目指していたものがなくなってしまった寂しさもあったから、という言い訳なんですが。

わたしはおそらく、長い距離のトレイルランニング、縦走を続けてきたために、痛みにちょっと鈍感です。痛いのが当たり前、みんな痛い、それがフツー。良くも悪くもそういう世界です(笑)。自分の身体が強制的にスイッチオフになるまで動き続けてしまうし、故障しているのかしていないのかもいまいちピンときていませんでした。入院や手術をするような大きな怪我は幸い一度もないですが、何年分もの鈍感さが積み重なってあらゆる部分の軟骨は結構擦り減っています。

Tomoさんからは開始当初から何度も『ちゃんと自分で身体の声を聞いてね!』と言われ続けてきましたが、わたしはこれが本当に苦手で。すごく痛いのかちょっと違和感があるのか、痛みの感覚も人によるじゃないですか。だから自分が弱いだけなのか、自分が怠けているのか、あるいは本当にこれは休むべきなのか、まったくわからないのです。

その結果、だんだんパフォーマンスが落ちていったり、結局強制的に休むことになってしまったり。そうか、あの時抑えておけばよかったのか。あそこまでやったのはダメだったのかとちょっとずつ知っていく。継続的にトレーニングして数値化しているからこそ変化にも気付きやすく、コーチに報告しながら自分でも認識することができる。疲れや体調、脚の調子などにものすごく敏感になりました。自分のこと(筋肉、調子、メンタル)を良く良く知っている人ほど強いんだなと知りました。

Tomoさんからは「エマちゃんは自制力を身に付けること!」と言われています。やるときとやらない時が0/100すぎてコーチは困ったもんでしょう(苦笑)。自分で自分をコントロールするのはまだうまくないですが、最近は心と身体にできるだけ素直になるように心がけています。 

 

④なんでもかんでもやりまくりゃいいってわけじゃーない

エンデュランス専門の人にはありがちな話かもしれません。とりあえずいっぱい走る。とりあえず長い距離を走る。月間走行距離〇km行ったぜ!バイクもやるぜ!階段登りまくるぜ!山行きまくるぜ!練習は嘘つかない!努力は嘘つかない!

努力は嘘をつかない、というのはその通りなんですが、「距離を踏む」練習法は賛否あります。わたしもいままで距離踏む派で、長く走るのが得意なぶん、とにかくまとめて走るタイプでした。でも最近ではマラソンなど長距離の陸上選手のなかでも、どっちかというと距離を押さえる方が多いように思います。

パフォーマンスとコンディション

レベルを上げるにあたり自分の限界を超えることと、良いコンディションで練習を継続することのバランスって難しいなとつくづく思います。どこかで自分を超えていかなければならないけれど、継続できなきゃ意味がないし、もしレースがある場合はそこへ向けて上昇傾向で推移して、本番でコンディションのピークを迎えて最大のパフォーマンスを発揮するのが理想です。

そのために必要なのが、緩急。緩めの練習、強度の高い練習。レスト。①ですべてのトレーニングには「意味」と「目的」が必要だと書いたのですが、ある意味レストもトレーニングのひとつなのだと思います。【意味を持って休む能力】、これって結構難しい。うだうだー、今日はうごきたくないー、まいっかーとかそういう休みではなくて、休むべくして休む。イケイケの時や焦っている時ほど、休むには勇気がいります。

やったー!今日は完全レストだ!だらだらするぞー!みたいな気分の時もありますが、人間って不思議なもんで、レストの日ほどなんか山とか行きたくなり、練習の日ほど家から出たくなかったりします。なぜ。ただの気分屋やん。それなんで逆にならんの。

わたしのメニューは基本的に完全レストが週1回。それ以外は、ポイント練→ジョグ→ポイント練→ジョグ→週末の負荷×2(予定がある週はナシ)といった流れです。間にジョグの日を挟みます。ポイント練ができなかったからって翌日に回すと2日連続になってしまうのでそれはまた意味が違ってきてしまいます。これが崩れると故障を招くわけですね・・・。このサイクルは比較的守れるようになりました。比較的、ね(苦笑)

 

⑤自分のなりたい姿を模索しつづける

最初はグングン伸びたのに、暑さと共に伸び悩み(いま思えば最初よりはどんどん良くなっていたのに昨夏は落ち込んでばかりだった)、レースもないから全然期待に応えられない。

せっかく熱心にコーチングしてもらっているのに、練習でも全然良い結果が出ない。走っていても楽しくない・・・などと落ち込むことも増えました。定性ではなく定量的に走力を測ることになるからこそ、次第に数字に縛られる感覚に陥り、自分の微々たる変化にあまりに敏感になりすぎる時期がありました(いまは故障中ののんびり期間を経て解消)。

スピード系の練習をしているとほんの1秒でも大きな差で、いままで自分の中にまったくなかった目盛りがどんどん刻まれていき、よくわからなくなりました。陸上や部活経験がないから余計につらかったのかもしれません。

ちょっと乗り越えた今、客観的に見ればそれもまた新しい自分を獲得した大きな変化であり、いろんなものさしや評価軸、知識が増えて今後の糧になっていくと思います。

vol.2でも書きましたが、コーチングを受けるからには「自分がどうなりたいのか」を常に模索し続けて、そこへ向けてコーチと一緒に進んでいくのです。自分のなりたい姿が見えているほど、変化が楽しく、うまくいったときのコーチへの報告もとびきり嬉しく、モチベーションに繋がる。

「エマちゃんって、どうなりたいの?」

よく聞かれます。色んな場面で色んな人に聞かれます。やりたいことはたくさんあっても、なりたい自分は自信を持って「こうだ!」と言えたら格好良いな。そんなことを考えつつ、いまも模索中。それがね、楽しみなんだと思うんです。

 

2021年次の変化は?

先週は、2021年初レースでした。OSJ新城32K。50km以下のレースなんてほとんど出ないから、会場で会う知り合いには「え?エマちゃん出るの?」と言われました(笑)。新城といえば、苦~い思い出のある奥三河の一部を通るレースってことで前から興味がありました。最強(最恐)の32kmって言われているのもソソるわ~と。ロードに傾倒した2020からの腰痛で、自分でもどうなることやらわかりませんでした。32kmという距離をどう戦略立てたらいいのかもまったくわからず。

UTMF向けに入れてもらっていた週末のトレイル練で、自ら獲得標高のあるコースを選んでしこたま登りまくって挑みました。

SKYで活躍するピチピチ20代若手がわんさか出るなか女子20位以内に入れたらいいなと思っていたら意外にも女子総合9位、年代別2位という結果でした。久しぶりにTomoコーチに良い結果が報告できる、それがめちゃくちゃ嬉しかった。1年間の色々な変化を経て、また少しずつ上昇していけるかもしれない。

 大人が変わるって難しいですよねぇ。それが面白いって気付けるかどうか。変化できる柔軟性をオンラインコーチングから絶賛学び中です。あと、やっぱり、変わろうと葛藤した上で結果がついてくる、って嬉しいもんですよね。そう簡単にはご褒美でないから、2021は辛抱強さも身に付けないとな。

 

次回はコーチ選びについてお話しようと思います!