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案ずるより産むがやすし~KOUMI100の記憶2~

 

「朝から暑く心拍計表示よりもゼーハー汗をかいたように感じる。まだ筋肉疲労が残っていて心肺より脚が鍛えられたイメージです。」

「初めの60分は余裕がありペースが速くなりすぎないようコントロールしたけれど、後半60分はだんだん落ちてきて遅くならないよう脚を回すのに必死でした!」

数値的な練習データはSUNTOを経由して自動的にトモさんの元に送られる。僕はなるべく簡潔にその練習で感じた身体の状態を毎日メッセージしていた。

 

案ずるより産むがやすし

もう何十年も聞いてきたこの言葉。オンラインコーチングを始めてみてこれほどまでにこの言葉がフィットするとは思わなかった。初めてポケベルからPHSに変えたとき(古っ)、初めてAmzonでお買い物をしたとき、みんな初めはドキドキしただろうけど今ではなくてはならない生活の1部になっている。

ちょっと大げさだけど僕にとってはそんな感覚があった。

まずはオンラインミーティングで僕の生活リズムや練習に費やせる時間、心拍や故障個所などの情報や実際の閾値の測定などを行って練習に対する準備をする。あとはカレンダーにトモさんが作ってくれたメニューが埋め尽くされていく。

Tomo’s Pitの素晴らしいところは練習を時間で管理してくれること。今日これくらい距離を走ってくださいではなく、この時間内でこんな強度の練習をして下さいということ。だから忙しい時だってその決められた時間だけを捻出できるようスケジュールを組めばいい。実にサラリーマンに適していると思ってしまった。日々の練習に必要な時間さえ作れたらあとはやるだけ。Jogだろうがインターバルだろうがただやるだけ。いたってシンプル。

僕は埼玉の川沿いの街に住んでいる。基本的にはこの川沿いと高尾で練習をしていた。家族の理解を得て週に1回高尾に練習しに行く時間を作らせてもらった。ただし子供の習い事の送迎は必須。

夕方には帰宅しなければならないので必然的に時間内に設定コースを走れるような走力がついてくる。少しダレてしまえばたちまち温泉に立ち寄る時間がとれなくなり、汗だくでまあまあ混んだ電車に乗らなければならなくなるから必死だ(笑)ここにトモさんのアドバイスも加わってくるので練習の質がおのずと高まる。高尾にトモさんが作ってくれたKOUMI対策コース、初めは6時間台後半かかっていたコースタイムも9月には5時間30分で回れるようになっていた。

毎日の練習時間は基本的に出勤前、朝に変えた。眠い目をこすりながら近所の川の土手で日々のトレーニングをこなす。夏場の土手は朝6時だとすでに暑いので暑熱順化がここで進んだ気がする。昨年のように晴天のKOUMIになってもこれで安心。僕は今回KOUMIに向けてのトレーニングはすべて自然環境で行いたいと思っていた。なので雨が降る日も風が強い日もジムは使わず屋外を走った。もちろん趣味の登山で慣れていることや、蓄えた皮下脂肪のおかげもあると思うが天候が荒れた今年のKOUMIでも雨の冷たさや寒さをほとんど気にすることなく走ることができたのはこの毎日の積み重ねがあったような気がしている。

 

憂鬱な日曜日

この4か月、日曜日の夜はいつも憂鬱だった。職場に向かうのが嫌な何とか症候群というわけでは無い。毎週月曜日の朝は坂道インターバルがあるからだ。初めのうちは近所の短めの坂をつかってゼーハーいていたが。メニューが変化していくにつれだんだんと走る時間も長くなるのでグーグルアースを使って近所の坂の勾配と長さを調べまくるようになっていた。良い坂を見つけてはトモさんにメッセージをする「この坂いい長さじゃない?」「いやいや長さはいいけどあと3%くらい勾配がきつい方がいいですね」こんなやり取りをしょっちゅうしているものだからおかげさまで家から半径5km以内にある坂には相当詳しくなった(笑)

1本目から手足が痺れてしまいインターバル間にスタート地点に戻るのがやっとでした、、」

1分を過ぎたあたりから頭が真っ白になり、失神寸前で便意を催してしまう学生時代の部活(水泳部)を思い出しました、、」

とある日のトモさんに向けた練習の感想コメント。ふざけているわけでは無くいたってまじめに書いている。どうやら僕は相当坂道インターバルが苦手みたいだ()

何だかんだ試行錯誤しながら4カ月、Tomo’s Pitでトモさんコーチのもとほとんどのメニューはクリアしてきた。設定タイムに間に合わないことや思い通りにいかない練習もたくさんあったけど持ち前の粘り強さで(いや、粘り強さしかない()スピードもなければ登りも下りも弱い())ほとんどのメニューはしっかりとこなしてきた。おかげさまでテーパリング直前のポイント練習ではこんなコメントを残している。

「・・驚いたのはこのペースが以前より楽に感じられたこと!キツくなかったので正直びっくりしています!」

どんなに足が遅い僕でもさすがにTomp’s Pitでこなした練習が自信になっていた。

10月9日小海スケートリンクのスタート地点に立った僕には昨年までが嘘のような落ち着きがあり、不安は全くと言っていいほどなかった。目標設定どおりのゴール(35時間)が出来そうだななんてスタート直前に感じたのはこの時が初めて。これから悪天候になる予報なんて吹き飛ばすような会場の熱気の中、スタートへのカウントダウンをまるで日常の出来事のように聞いている自分が不思議だった。