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自覚的運動強度(RPE)

アスリートの自覚運動強度(RPE)とは、運動時の活動が肉体的・精神的にどの程度困難であると感じるかを示す指標です。RPEは1960年代にスウェーデンの心理学者であるGunnar Borg博士によって作成されました。Borg博士は、6-20スケールとCR10スケール(1-10)の2つのRPEスケールを作成しました。

6~20スケールでは6が最も低いレベルを表し、20が最も高いレベルを表します。6から20というのは、一見すると奇妙な数字の組み合わせに思えるかもしれませんが、ボルグの研究によると、アスリートが運動中に選択した数字に10をかけたものと、その時の実際の心拍数との間には高い相関関係があることが分かっています。つまり、あるアスリートがランニング中に「16になった気がする」と言ったら、心拍数は160bpm程度である可能性がかなり高いのです。CR10スケールは、6-20スケールに似ていますが、0-10の範囲で、0が全く動いていない安静値、10がオールアウトの最高値となります。
 

6~20スケールの疲労度を数値化したもの

RPE 自覚度 強度(%)  心拍数
20 もうだめ 100 200
19 非常にきつい 93
18 86 180
17 かなりきつい 79
16 72 160
15 きつい 64
14 57 140
13 ややきつい 50
12 43 120
11 楽に感じる 36
10 29 100
9 かなり楽に感じる 21
8 14 80
7 非常に楽に感じる 7
6 安静時 0 60

 

CR10スケールの疲労度を数値化したもの

RPE値 負荷  説明
10 最大 話せるレベルではない。
8-9 きつい 一言、二言くらいなら話せるレベル。
6-7 ほどよい 一文、二文くらい話せるレベル。
4-5 快適 ほどよく会話ができるレベル。
2-3 らく 会話をずっと継続できるレベル。
1 超らく 歩いているレベル。
0 安静時

 

ウルトラランニングというスポーツは、他のスポーツや短距離走のイベントにはない多くの変数を本質的に持っています。例えば、路面のサーフェスの変化、標高や気温の大きな変化、極度の疲労など、これらはほんの一例ですが、これらの変数によって起きうる身体の疲労具合は、GPS付き時計や心拍計やパワーメーター等のテクノロジーでも正確には計れない数値になります。RPEはアスリートがその時々に自覚的に感じていることをリアルタイムに表すものであり、ウルトラランナーにとってはとても価値のある自覚的評価の基準になります。

普段のトレーニング時に置いても、自覚的運動強度を指標に運動することで、自分の身体が感じる本質的な疲労度合いを身につけることが可能になります。下記がそれぞれのトレーニング強度によっての自覚的運動強度になります。

トレーニング RPE 負荷レベル  話せるレベル
インターバル(IR)
10 VO2 Max 1言くらい
テンポラン(TR)
8-9 LT値 5-7言くらい話せる
ステディステートラン(SSR) 7 高有酸素ラン 2-3文章くらい話せる
エンデュランスラン(ER)
5-6
持久力 会話が可能
リカバリーラン(RR)
4-5
リカバリー 楽に話せる

 

自覚的運動強度をマスターすればレース時のペース配分にも役に立ちます。自分がどのくらいの負荷で走ればどのくらいで疲れるのか、どのくらいで回復するのか、自覚的運動強度を意識して練習を重ねてランナーとして磨きをかけていきましょう。

TOMO